― 動く空間としてのアート ―
今シーズン、MSGMは単なるインスピレーションではなく、創作のメソッドとして、アートとの対話を続けている。
コレクションの出発点は彷徨うこと。ミラノのギャラリーを自由に巡りながら出会った、スタニスラオ・レプリの展示会、
レオノール・フィニの作品に登場する猫のような幻想的なまなざし、マリーナ・レインガンツのかすみがかった抽象画、
さらにはアマンダ・ウォールの作品《シャドウボーイズ》、《ナイトスタンド》に宿る、親密で張り詰めた感情の痕跡。
このようなアートは直接引用されるのではなく、コレクションを動かし、構築するための居場所となる。
本コレクションは「自由にさまよう」という発想を軸に展開する。身体的に、感情的に、そして世代を超えて。
少女と女性の間の揺れ動くバランスを見つめ直し、成長を“手放すこと”ではなく“重ねていくこと”として捉える。
ひとつのシルエットの中に、ひとりの存在の中に、強さと繊細さが共存している。
スポーツウェアの要素は研ぎ澄まされ、クラシックなアイテムにはエッジが加わる。マスキュリンなテーラリングはより
コンパクトに、一方で、フェミニンなフォルムは流れるように広がり、構築性と軽やかさ、硬さと流動性が同時に存在
する。
ライムグリーン、サンオレンジ、ウルトラバイオレット、ラズベリー、ダークチョコレートなど、カラーパレットは明確な意図
を持ち、大胆なカラーブロッキングはニュートラルトーンを断ち切り、装飾ではなくメッセージとして採用される。
レオパード柄のタペストリーベルベット、コンパクトなウール、圧縮ツイードやミリタリーギャバジンが、しわ加工のテクノ
ナイロンやクリスプなメタリックタイベック、プレスドシルバーとともに登場し、立体的なオリガミ刺繍やメタリックなスパン
コールネットが、さらなる奥行きと緊張感をもたらす。プリントは都市のノイズのように重なり合い、落ち着きなく、かつ
生き生きと表現される。猫のモチーフは記憶として、本能として、象徴として、星と薔薇のモチーフは、記憶の断片と
して、コレクションに存在感を放つ。
ショーの舞台となるファンダツィオーネICAは、MSGMが探求してきた都市の文化的風景に呼応しつつ、コレクション
のエネルギーを吸収し、増幅するスペースである。
MSGMは、アート、建築、生きている身体、日常と影響しあう“開かれたシステム”であり、ファッションはそれらをつな
ぐエネルギーの場として機能している。大胆に、本能的に、そして誠実に。
服は前へ進み、動き続けるものである。