自身が手掛ける雑誌やTVのスタイリングにファビアナフィリッピは不可欠な存在、と語るスタイリストの押田比呂美さん。
今回はファビアナフィリッピの新旧を熟知するそんな押田さんに、新デザイナー起用後のブランドの変化と、大人のおしゃれに何よりも必要という「上質」の意義について伺います。
迷いを払拭し、楽しみと自信をくれる
──これが「上質」の力
ファビアナフィリッピが新しく生まれ変わる以前から、雑誌や広告、TVなどのスタイリングを通してブランドと深く関わってきたスタイリストの押田さん。新デザイナー起用後、ファビアナフィリッピはどう変化したのでしょう?
「以前はフェミニンなデザインが主流でしたが、クールさやシャープさが増してモードになったと感じます。ただ、従来の女性らしいエレガントな服も健在で、『気品があり上質で着映える』というブランドの本質も変わっていません。『モード』という新しい視点が加わって、辛口が好きな人にまで間口が広がった、という印象です」
創刊時から携わる雑誌『Precious』をはじめ、さまざまな媒体でおしゃれに迷う40代以降の女性たちに解決策を講じる押田さんは、大人の女性が服選びやスタイリングをするうえで最も大切なのは、「上質さ」だと言います。
「おしゃれの方向性も大切ですが、それ以上に、40代以降はクオリティの高いものを着ることが重要です。絶妙なカッティングや落ち感が、変化していく世代の体型を巧みにカバーしてくれるし、スタイルアップも叶えてくれる。美しい色はドライな肌を補ってくれるし、上質な素材は肌触りや着心地のよさを体感させてくれると同時に、『よいものを着ている』という高揚感や好印象を瞬時に放ってくれる。それらが自信をもたらし、『これさえあれば』という安心感にもつながります。耐久性もあるけれど大事にも扱うから、結果的に長く着られますよね。値段が高いので数はたくさん買えないけれど、ここぞというときに頼りになり、かつ着ることで自信につながる服って3着もあれば充分ではないかしら」
以下に、押田さんのおすすめコーデをご紹介します。
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